最後の資本主義
ロバート・B・ライシュ
ライシュの提案する、新しい資本主義の形。政府か市場か、の二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールを見直すことで、資本主義を壊すことなく、サステナブルな資本主義を構築できる。
市場メカニズムのルール自体が、勝者だけが勝ち続け、富が一方的に上方に移動するような仕組みになっている。ここにメスを入れずして、ゲーム終了時の所得再分配の率だけを議論しても意味がない。ルールそのものを、そして資本主義そのものを、一部の勝者のためだけに利するものではなく、大勢の人が生き残っていけるようなものにしていこう。
このままでは、人間の働くことの価値はますます小さくなり、稼ぐことのできるものは資本のみとなってしまう。技術が発達し、ロボットがどんなにすばらしい財・サービスを提供できても、それを買うことのできる層は消滅する。そしてロボットが代替するのは単純労働だけではないのだ。頭脳労働でさえも、ロボットにとって代わられる時代が来ている。
今こそ、新しいルールの下で資本主義を立て直さなければならない。そうでないと、資本主義はその土台部分から壊れてしまう。
著者について
ロバート・B・ライシュ
カリフォルニア大学バークレー校教授
1946年、ペンシルバニア州に生まれる。ハーバード大学教授などを経て、現在、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。クリントン政権での労働長官をはじめ三つの政権に仕えたほか、オバマ大統領のアドバイザーも務めた。著書は『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』、『暴走する資本主義』など多数。雑誌『ニューヨーカー』、『アトランティック』や、『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『ウォールストリート・ジャーナル』各紙への寄稿多数。雑誌『アメリカン・プロスペクト』の共同創立編集人。2008年、『タイム』誌の「最も業績を収めた20世紀の閣僚10人」の1人に選ばれたほか、『ウォールストリート・ジャーナル』紙で「最も影響力のある経営思想家20人」にも選出された。2013年、ライシュ自身をモチーフにして制作された映画『みんなのための資本論』(ジェイコブ・コーンブルース監督)が、サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門にて審査員特別賞を受賞。2014年、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローに選ばれる。
雨宮 寛(アメミヤ ヒロシ)
コーポレートシチズンシップ代表取締役
コーポレートシチズンシップ代表取締役
コロンビア大学ビジネススクール経営学修士およびハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。モルガン・スタンレーおよびクレディスイスにおいて資産運用商品の商品開発を担当。2006年コーポレートシチズンシップを創業。明治大学公共政策大学院兼任講師、法政大学現代福祉学部兼任講師。DWMアセットマネジメント日本代表。CFA協会認定証券アナリスト。NPO法人ハンズオン東京副代表理事。日本Bコーポレーション推進支援委員会。今井章子氏との共訳書に『あなたのTシャツはどこから来たのか?』ピエトラ・リボリ著、『金融恐慌1907』ロバート・F・ブルナー/ショーン・D・カー著、『暴走する資本主義』『余震』『格差と民主主義』ロバート・B・ライシュ著(以上、東洋経済新報社)など多数。
今井 章子(イマイ アキコ)
昭和女子大学教授、コーポレートシチズンシップ取締役
昭和女子大学教授 コーポレートシチズンシップ取締役
ハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。英文出版社にて外交評論誌の編集に携わる。ジョンズホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所客員研究員、東京大学法学政治学研究科客員研究員等を経た後、政策シンクタンクにて提言などの国内外への広報、海外専門家との政策対話、CSR研究などに従事。現在、昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科教授として、グローバル化による社会課題やリーダーシップの在り方、CSR(企業の社会的責任)などについて研究している。雨宮寛氏との共訳書に、『あなたのTシャツはどこから来たのか?』ピエトラ・リボリ著、『金融恐慌1907』ロバート・F・ブルナー/ショーン・D・カー著、『暴走する資本主義』『余震』『格差と民主主義』ロバート・B・ライシュ著(以上、東洋経済新報社)など多数。
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