小さなサロン 失客しない「価格改正」の方法 迫田 恵
迫田 恵
ひとりサロンでも、お金をかけずに
客単価アップできる!
・メニュー・サービスを変える
・お客様に「変化」を伝えて納得してもらう
そうすれば、
お金をかけずに
お店を「再スタート」できます!
〈〈本書のノウハウに沿って価格改正を実施した、あるサロンのケース〉〉
(価格改正前→1年後)
総客数 :67人→69人
技術売上:48万6850円→102万4890円
客単価 :7415円→1万4853円
総客数はほぼそのままで、
技術売上・客単価は2倍にアップしました!
・価格改正までの準備期間に何をすればいいのか?
・価格改正後、お客様をどうフォローすればいいのか?
店舗改装・設備投資せずに
客参加を上げるノウハウをお伝えします。
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◎価格改正をするときに一番不安に思うことは、既存客の失客です。単に価格だけを上げると失客につながり失敗してしまいますが、メニューに付加価値をつけて価格を改正し、お客様の値上げご負担分を技術以外のサービス価値に変えた上で、十分な準備をして実践すれば大丈夫です。
◎「5ヶ月で価格改正できる行動計画表」に基づいて、成功した先輩たちが活用した失客しない価格改正の方法やサービスの導入法などをわかりやすくお伝えしていきますので、自店に当てはめてスケジュールを組み、活用することができます。
◎このやり方に沿って価格改正を実施したサロンの1年後の失客率(明らかに値上げが原因で失客した客数)は、5%以下です。値上げをせずに普通に営業していても、失客率は20%を超えるサロン業界では、驚異的な数字です。
◎もうひとつ、皆様が心配されるのは、資金的な面でしょう。「再スタートするには多額の設備費や内装費をかけなければダメ? となると、資金力がないのでとても今はできない……」と思われる方が多いかもしれません。
私が手掛けたこれまでの成功事例では、改装・設備費を掛けずに再スタートに成功したサロンが全体の過半を占めます。
◎今は、成功事例を伝えながら背中を押すのが私の仕事ですが、私自身がオーナースタイリスト時代、大幅な価格改正をした時は、背中を押してくれる人は誰もいませんでした。ですから、どのくらい勇気がいることかを一番理解しています。
◎一番印象に残っているのは、いつもカットとカラーをオーダーされる高齢のお客様の声でした。単刀直入にこんなご相談を受けたことがあります。
「恵ちゃんのお店に行きたいけど、年金暮らしだから、申し訳ないけど2つは無理。ひとつは駅前の安いお店でやるから、カットかカラーのどちらをやったらいい?」
こう聞かれた時は答えが出せず、本当に自分が悪人のように思え、自らを責めました。
◎しかし、このお客様だけ特別に旧価格でご案内することはできません。なぜなら他のご理解くださった既存のお客様には、新価格でサービスを提供しているからです。
再スタートした私のひとりサロンは、次第に稼働時間一杯にまで予約が入り、新規のキャンセル待ちが出るようになり、繁盛サロンとよばれるようになりました。価値を売ることによって客単価アップし、生まれ変わることができたのです。
◎嬉しいことに、このご相談を受けたお客様も一度は他店に行かれたものの、その後、従来のメニューでご来店いただくことができました。お客様には感謝してもし尽くせませんでした。こんな思いをしたからこそ、「同じ立場の同志」として、サロンオーナー様を支援することができるのだと思います。
◎私はお客様に最高の技術やサービスを提供し、高料金サロンを築いたと思っておりますが、決して都会で有名なカリスマ美容師ではありません。サロンの価値を決めるのはお客様です。
お客様を大切にする経営が「再スタート」の基本です。
(「はじめに」「おわりに」より)
著者について
迫田恵子(さこだけいこ)
理美容サロンプランナーK代表 ひとりサロン経営塾主宰
元美容室オーナースタイリストで、"ひとりサロン"に特化した経営戦略により、ひとり月売上120万円超え・客単価12000円超えの繁盛店をつくり上げた後、持病の悪化により予約客を100人以上残して休業。現在は自身の成功事例を基に“小さなサロンの売上アップ家庭教師"として、経営者500人以上を支援。サロンワークの現場と経営を知るものだからできる経営指導を展開。戦略会議はスカイプ、LINEなどビデオ通話を活用し、全国から依頼多数。
サロン経営専門誌で経営コラムを連載中。著書に『小さなサロンだからできる極上のサービス』(ビービー・コム)がある。
